当事者管理者Aの発症から今 #04 NEW

回復期病院へ――
本当のリハビリが始まる。

家族に支えられ、ようやく決まった転院。
期待を胸に、回復への新しい一歩を踏み出した。

急性期病院に入院してから、約1か月。

右視床出血だけでなく、心不全、腎不全、そして憩室炎。

次々と起こる問題を乗り越え、ようやく回復期病院への転院が決まった。

「これで、やっと本格的なリハビリが始められる」

当時の私は、そんな思いでいっぱいだったと思う。

しかし、その一方で、家族は大きな不安の中にいた。

それまで、家のことも、仕事のことも、大切な判断も、夫である私が決めることが多かった。

その私が、ある日突然倒れた。

頼りにしていた存在が、いきなりいなくなってしまった家内は、どれほど不安だったのだろう。

病院から何を言われても、これからどうすればよいのか、自分で考え、決めなければならない。

家内にとっても、これまでとはまったく違う生活が突然始まっていた。

そんな家内を支えてくれたのが、二人の息子だった。

私が病院で治療を受けている間、息子たちは家内のそばにいて、しっかりと支えてくれていた。

そのことを私が知ったのは、ずっと後になってからだった。

自分が倒れてしまったことで、家族にも大きな負担をかけていた。

しかし当時の私は、自分の身体と向き合うことで精いっぱいで、そこまで考える余裕はなかった。

・・・

回復期病院を選ぶ際、私たちが重視した条件は、とても単純なものだった。

自宅から比較的近いこと。

そして、面会時間が長いこと。

家内が通いやすく、少しでも長く一緒にいられる病院。その条件を中心に転院先を決めた。

リハビリの内容や、セラピストの体制、脳卒中後の上肢リハビリにどれほど力を入れているのか。

今なら、確認しておくべきことがいくつも思い浮かぶ。

しかし当時は、病院を選ぶための知識も、冷静に調べる余裕もなかった。

そして後になって私は、この病院の選び方を後悔することになる。

・・・

転院の日。

記憶は少し曖昧だが、介護タクシーに乗り、車いすのまま移動したと思う。

新しい病院は海に近く、建物も小奇麗なリハビリ病院だった。

初めて足を踏み入れた病院。初めて見るスタッフ。これから始まる新しい入院生活。

普通なら不安を感じてもおかしくない。

それでも私の中にあったのは、不安よりも安堵だった。

急性期病院にいた頃から、私はずっと焦っていた。

「早くリハビリを始めたい」

「少しでも早く身体を動かしたい」

「早く元の生活に戻りたい」

その思いばかりが、頭の中を占めていた。

ようやく始まる。ここから本格的に回復していける。

この病院で頑張れば、きっと身体は元に戻っていく。

私は、そう信じていた。

しかし、実際に始まった回復期病院での生活は、私が思い描いていたものとは少し違っていた。

最初に待っていたのは、リハビリ以前の問題だった――。

※本コラムは、脳卒中当事者本人の実体験をもとに綴っています。症状や経過は人によって異なります。